高級感のあるパッケージをつくる8つのステップとは?素材・デザイン・ブランディングも徹底解説

高級感のあるパッケージデザインにするためには、「シンプルなデザイン」と「ブランディング」が重要です。
シンプルなデザインにするからこそ、一つ一つの戦略をしっかりと組み立てなければなりません。
また、ブランディングを成功させるためには、「高級感のあるパッケージ」としてのプロモーションも大切です。

プロモーションの仕方1つで失敗することも可能性としてあります。

そこで今回は、高級感のあるパッケージを作る8つのステップとブランディングについてくわしく解説します。
高級感のあるパッケージといって、素材や色にだけこだわっても上手くいきません。

商品のコンセプトからネーミング、デザインまでは一気通貫して初めて差別化された高級感に繋がるのです。

高級感のあるパッケージ制作に悩む企業担当者の方はぜひ参考にしてみてくださいね。

高級感あるパッケージにするための基礎知識

高級感あるパッケージデザインにするために、まずは以下の概念をしっかり把握しておきましょう。

  • 高級感とは?
  • パッケージデザインで大事なこと

順にわかりやすく解説します。

高級感とは

「高級感」は高品質なモノやサービスに対して、贅沢な印象を感じた場合に表現されます。パッケージデザインにおいて高級感は、消費者ユーザーに「優越感・満足感を得られるかもしれない」と期待を高めるものです。

期待を現実のものとするために高級感のあるモノやサービスを購入するのです。デザインや質感、上品さや洗練さは高級感を演出します。

パッケージデザインで大事なこと

そもそもパッケージは「モノを包む」ものですが、パッケージデザインに別の意味を付け加えることが重要です。それが「ブランド価値」です。
企業の商品に対する思い、世界観、ユーザーが手に取るまでのストーリー、ユーザーが商品に感じる魅力や得られる満足感。

さまざまな付加価値が連動することによって、その商品だけの世界観を演出することができます。ただ目を引くだけではなく、心惹かれるパッケージデザインを作ることが大切です。

高級感あるデザインに欠かせない8つのステップ

高級感あるパッケージデザインに必要な8つのステップのなかでも、ステップ⑧はパッケージデザインを効果的にアピールするために大切です。

  1. 一貫した商品コンセプトを決める
  2. 印象に残る商品名を決める
  3. シンプルで魅力が伝わるキャッチコピーを添える
  4. フォントで世界観を作る
  5. 期待が高まる素材を決める
  6. 世界観が伝わるデザインを決める
  7. 色を決める
  8. 選ばれるブランディング戦略を行う

では、順に見ていきましょう。

ステップ①一貫した商品コンセプトを決める

商品コンセプトは、パッケージデザインの方向性や全体の世界観を指します。一貫したコンセプトは高級感を演出し、ユーザーに向けたメッセージが伝わりやすくなります。
商品コンセプトのポイントは、「誰が、どのシーンで使い、何を満たすか」を考えることが重要です。
よりターゲットを明確にすることで、商品の差別化を図ることに繋がります。

誰に何を伝えたいのか

パッケージデザインは、ユーザーの心に刺さるものでなければなりません。
なぜなら、2〜3秒の瞬間に、商品を手に取るかどうかを人は判断するためです。したがって、商品の良さやベネフィット(商品によって得られるメリット)をダイレクトに伝える必要があります。

まずは「誰に届けたいのか」を明確にしましょう。たとえば女性向けなのか、若い世代向けなのか、どんな悩みをもつのか、などです。

次に伝えたいメッセージを絞りましょう。

  • 他のブランドにはない、自社商品の特徴
  • 一番伝えたいこと など

心惹かれるパッケージにするためには、誰に何を伝えたいのかを明確にすることが大切です。

コンセプトをビジュアルで表現する

高級感を表現するうえで大切なのは、無駄なものをそぎ落とした「シンプルさ」です。商品のコンセプトと、「デザイン・色・形状」などのビジュアルが統一することで高級感が出やすくなります。

もちろん、「豪華さや重厚感を感じるパッケージ」や、「エレガントで洗練されたパッケージ」にするだけでも高級感は作ることができます。

しかし、それだけでは売れるパッケージとはならないのです。
コンセプトこそ全ての基礎となるものです。だからこそ、パッケージを作る際には、商品のことを詳しくヒアリングする必要があるのです。

ステップ②印象に残る商品名を決める

商品名の決め方は、以下の2つを参考にしてください。ユーザーにインパクトを与える効果があります。

  • コンセプトやイメージから決める
  • 商品のビジュアルから決める

コンセプトやイメージから決める

商品のコンセプト(商品の特徴や良さ)や、商品のイメージから決める方法です。商品の魅力をダイレクトに伝えることができます。具体的には、以下のような視点から検討します。

  • 商品を連想させる言葉(例:ななめドラム洗濯機)
  • 特徴を一言で表す言葉(例:プッチンプリン)
  • 言葉と言葉をユニークに組み合わせる(例:熱さまシート)
  • 質感や触感などテクスチャーを表す(例:ガリガリ君)

上記はあくまでイメージです。「高級感」や商品コンセプトに合うネーミングを見つけましょう。

商品のビジュアルや機能から決める

商品の見た目や機能からネーミングする方法です。自社商品の強みを全面に押し出したネーミングで、他社商品と差別化ができます。以下の視点を参考にしてみてください。

  • 素材へのこだわり⇒素材の名前と特徴を組み合わせる(例:シルクリラックスパンツ)
  • 成分へのこだわり⇒成分の濃さや程度を数字で表す(例:チョコレート効果カカオ72%)

また、競合商品名を参考にすることも有効です。ただし、事前に必ず商標登録をチェックしましょう。特許庁「特許情報プラットフォーム」で簡単に調べることができますよ。

ステップ③シンプルなキャッチコピーを検討する

ロングセラーや大賞受賞などのように、キャッチコピーは商品を目立たせる効果があります。ただし、注意点をおさえて活用しましょう。

キャッチコピーは分かりやすく明快に

キャッチコピーはシンプルかつ分かりやすい言葉を選びましょう。思わず商品を手に取ってしまう強いインパクトが適しています。『プロを超えたプロ』、Apple社のキャッチコピーです。

ポイントは、できるだけ簡潔な言葉で伝えたいメッセージを表現することです。商品の魅力、メリット、ベネフィットなどをひと言で伝えましょう。

高級感の妨げになる可能性も

キャッチコピーを控えた方がいい場合もあります。なぜなら、パッケージデザインの高級感を邪魔してしまう場合があるためです。

商品の良さを多方面から伝えたいあまり、情報を載せすぎることはおすすめしません。商品名・ロゴ・デザインで高級感を十分に表現できている場合、キャッチコピーは控えましょう。他方で、ホームページや広告などのブランディング(企業が行うユーザーへの商品イメージ強化に向けた活動)でキャッチコピーを有効活用できる場合があります。

ステップ④フォントで世界観を作る

パッケージのフォントにこだわるとグンと高級感がアップします。よく使われるフォントは以下の2つです。

  • 明朝体
  • 筆文字書体

特徴を見ていきましょう。

高級感や大人っぽいデザインには「明朝体」

高級感やワンランク上の上等さを出すためには「明朝体」が適しています。明朝体は線が細く強弱があるため、繊細さを表現します。洗練された上品なイメージをユーザーに与えてくれますよ。

一方で、ゴシック体はやや幼い印象です。高級感の演出には不向きといえるでしょう。また、大人っぽいデザインには「おしゃれさ」や「知的な印象」が必要です。そのため、明朝体であってもグラデーションやカラフルな色は控えましょう。

和風のイメージで高級感を出すなら「筆文字書体」

和菓子やお米など、和風のイメージで高級感を出すなら「筆文字書体」が最適です。ポイントは、商品のコンセプトに合う筆書体を選ぶこと。筆文字書体には多くの種類があります。文字の太さ、はねやはらい、滲みやかすれに特徴があり、商品によって力強さや優しさなどを表現できます。

ステップ⑤期待が高まる素材を決める

パッケージに高級感を感じてもらうには「手に取ったときにどう感じるか?」という問いに対して素材で応えることが重要です。また、環境問題が大きく取り上げられる現代、環境にやさしい素材を使い環境問題へ積極的に取り組みましょう。

  • 高級な印象を与える素材とは
  • 環境にやさしい素材を使うことも大切

高級な印象を与える素材とは

視覚だけではなく、手に取ってもらい、触って高級感を感じてもらうことも大切です。では、触ったときに高級感へ期待を高める働きをする素材とはどのような素材でしょうか。以下の表は、素材と高級感へ与える効果を表したものです。

①両面白コーティング美しい光沢、滑らかな表面、ピュアな白さ、強度が特徴。高級パッケージ素材として人気。
②両面マット調高級化粧品のパッケージなどに使われることが多い。マットでしっとり感のある高級用紙。
③和紙、和紙風表面のみ凹凸があり、和風の高級感が出せる。鮮やかな色や箔押し加工に適している。
④金や銀の特殊紙鏡のように映りこむ。平滑性が高い。
⑤ナチュラルな紙オーガニックなど自然由来の商品に多用される。白インクも使用可。
⑥エンボス加工された紙ストライプや格子など用紙全体に凹凸模様をつけたもの。デザインに立体感が生まれる。
⑦ホログラム加工された紙キラキラ光る光沢で高級感がアップ。とくに女性への訴求や、他の商品との差別化に役立つ。

上記のなかでとくに①〜③が高級感を感じやすい素材として多く使用されています。その理由は、光沢や滑らかさ、しっとりした質感など、シンプルながらも特別感を表していることが考えられます。

環境にやさしい素材を使うことも大切

温暖化による気候変動や石油の枯渇などを背景に、企業は環境に配慮した経営を行うことが当たり前になりつつあります。パッケージも同様に、環境にやさしい素材を使いましょう。

たとえば、使い終わったパッケージをリサイクルして再度パッケージに使用したり、ラベルを剥がしやすいようミシン目を入れたりするなど、ゴミの廃棄方法を工夫している企業も。また、石油が主原料であるプラスチックの量を減らしてパッケージを作るなど、ゴミを減らすための取組みも重要です。

環境への取組みは企業のブランド価値向上にも寄与します。パッケージを見たターゲットへのアピールになり、継続利用につながる場合もあります。

ステップ⑥無駄のない高級感あるデザインを決める

高級感あるデザインは「シンプルさ」がとくに重要です。無駄なものを省くことでコンセプトが際立ち、ユーザーへ伝えたいメッセージも伝わりやすくなりますよ。以下2つのポイントをおさえましょう。

  • シンプルかつおしゃれな形にする
  • 光沢や線の細さで高級感を演出

シンプルかつおしゃれな形にする

デザインは「シンプル」にしましょう。なぜなら、商品名やロゴが情報としてユーザーに入りやすいからです。

つまり、パッケージの高級感を出すには無駄なものをいかにそぎ落とすか、という作業が大事になります。伝えたい魅力が多くある中で、コンセプトに基づいた一番重要なメッセージをシンプルに表現しましょう。

他方で「おしゃれさ」が加わるとパッケージはぐっと高級感が増します。長方形型・円柱型・多角形型など商品のコンセプトに合うベストな形状を決めましょう。シックで上品、スタイリッシュなどの高級感を演出します。

光沢や線の細さで高級感を演出

これも基本的な知識ですが、パッケージ表面のデザインに「光沢」を加えたり「細い線」でデザインを表現すると高級感が演出できます。たとえば、明朝体はゴシック体に比べて線が細く、大人っぽい印象を与えます。なぜなら、線の細さから繊細さ・おしゃれさ・知的さをイメージするためです。

また、金・銀などの箔を用紙に貼りつける「箔押し加工」を商品名やロゴに施すことによって、光沢がワンポイントとなり高級感が生まれます。

しかし、ありきたりなデザインになってしまう場合も多いので、商品コンセプトから考え、商品をより際立たせるパッケージを入念に考える事が大切です。

ステップ⑦色で高級感を表現する

ユーザーは商品を見る際、商品を「色」で決める場合もあります。たとえば、目上の男性に向けたギフトなら、落ち着いたダークトーンの商品を中心に探す、などです。ここでは、高級感の表現において色の大切さと適したカラーを解説します。

  • どうして色が大切なのか
  • 高級感を出す色は、基本低明度で1~3色がベスト

どうして色が大切なのか

色は、商品の方向性を決める際に重要な役割を持ちます。「カラーマーケティング」と呼ばれる、色彩心理学を利用したマーケティング戦略を知っていますか?商品の色によって、消費者のもつ商品の第一印象や企業イメージがマーケティングに大きく応用できるというものです。

カラーマーケティングが人に与える影響の一つに「感情的影響」というものがあります。たとえば「緑」なら安心感、「黄色」なら明るい気持ちにさせてくれる効果のことです。

「黒」には高級感や重厚感といったイメージを与える効果があります。ターゲットや商品のコンセプトに合わせた配色で、ユーザーに高級なイメージを持ってもらうことが大切です。

高級感を出す色は低明度で1~3色がベスト

高級感をイメージする色は「黒」「藍色」「深緑」など、低明度(明るさの低い色)にしましょう。とくにメインカラーは重要です。

また、落ち着いた雰囲気を表現するため、色数は少ない方がいいでしょう。具体的には1〜3色がベストです。複数の色を使用する場合、低明度で統一することがポイント。光沢のあるシルバー・ゴールドなどワンポイントに入れるとさらに高級感を演出できますよ。

ステップ⑧選ばれるブランディング戦略を行う

ブランディングとは、商品に対するイメージや信頼感向上に向けて企業が何らかの施策を行うことです。ここでは、お客さまに選ばれるためのブランディング方法を2つ解説します。

  • ターゲットのニーズを捉えたマーケティング戦略
  • ブランドの価値をパッケージデザインで伝える

詳しく見ていきましょう。

ターゲットのニーズを捉えたマーケティング戦略

マーケティング戦略とは、かんたんにいうと「誰に、どのような商品・価値を、どのように提供するか」を決める施策です。最終的には、ターゲットである顧客の商品・サービス購入や継続利用が目標となります。

お客さまに選ばれるためのポイントは、ターゲットのニーズを的確に捉えること。パッケージデザインでいうと、捉えたニーズをデザインに落とし込む過程が重要です。

そして、ニーズをデザインに落とし込んだ後、最終的に売上に繋げるまでがマーケティング戦略です。いかに効率良くかつ効果的に「高級感のあるパッケージ」としてプロモーションするかなど、トータルで戦略を練る必要があります。

マーケティング戦略に悩んでしまうなら「外注」も一つの手段です。プロによる多面的なアドバイスや、効果的なマーケティング戦略を提案してもらえますよ。

ブランドの価値をパッケージデザインで伝える

ブランドの価値とは、わかりやすくいうと「ロゴを見るだけでイメージができる」企業価値のことです。

たとえば「ゴディバ」。ブランド名だけで高級感が伝わり、味もブランド価値の高さも間違いないのがわかります。つまり、ブランド価値はユーザーが感じる魅力や満足感の高さを意味します。お客さまに選ばれるパッケージデザインにするためには、ブランド価値の構築、または強化を目指しましょう。

そのために「自社の強み・個性・オリジナリティ」を創出することが必要です。他社と明確に差別化され、ブランド認知に役立ちます。

心惹きつけるデザインと確かなマーケティング力なら

高級感のあるパッケージに必要なのは「シンプルなデザイン」と「ブランディング」です。

パッケージデザイン相談所では、未来のお客様が求めるニーズを的確に捉え、それに応えるデザインを制作いたします。

また、専門性を活かしデザイン制作から販売戦略を含め、売上に繋がるところまでトータルのご提案が可能です。

パッケージデザインでお悩みの際は一度ご相談ください。