パッケージデザインの5つの効果とは?パッケージリニューアルを成功に導く5つのポイントも解説

あなたは商品やサービスを選ぶときになにを基準に選ぶでしょうか。

普段は意識していないかもしれませんが、国の調査では『広告を意識する』人が全体の8割以上*、民間の調査では商品購入の決め手として『パッケージ』が第3位にきています**。

つまり、パッケージデザインを効果的に活用すると消費者に選ばれやすくなります。また、パッケージデザインは定期的にリニューアルが必要です。

そこで今回は、パッケージデザインによる効果と、パッケージリニューアル成功のポイントを解説します。

これからパッケージデザインの依頼しようとしている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

*消費者庁「平成30年版 消費者白書」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/assets/2018_whitepaper_all_210730.pdf

**株式会社ネオマーケティング「なぜその商品を買うのか?消費者を購買に駆り立てる決め手とは」
https://column.neo-m.jp/column/marketing-research/-/79

パッケージデザインが消費者の心理へ与える影響

まずは、基本的なところからご説明します。
パッケージデザインが消費者の心理へ与える影響は大きく2つです。

  • 購買意欲を刺激する
  • ブランドを認知する

順に見ていきましょう。

購買意欲を刺激する

パッケージデザインは消費者の購買意欲を刺激します。とくに、デザインの違いは重要です。

たとえばある研究では「写真」の方がイラストよりも購買意欲が刺激され*、リニューアルによるデザイン変更が消費者の購買確率を上昇させることも研究者が発表しています**。
つまり、なんとなく選んでいるようで、デザインの視覚的な刺激が消費者の購買意欲に与える影響は大きいのです。

*高知工科大学マネジメント学部 田村 優「パッケージデザインが消費者心理へ与える影響」 
https://www.kochi-tech.ac.jp/library/ron/pdf/2014/03/14/a1150440.pdf

**河塚 悠「パッケージ・デザインに対する消費者の反応についての研究」
https://www.bing.com/ck/

ブランドを認知する

パッケージデザインは、ブランド認知に役立ちます。なぜなら、商品名・ロゴ・デザインなどに「ブランドらしさ」が紐づけられているためです。要するに、良いデザインはブランドイメージや商品コンセプトを消費者に伝えやすくなります。

消費者がブランドを認知すると、どこのブランドの商品かを覚えて継続購入につながる可能性も期待できるでしょう。

パッケージデザインの5つの効果

以下の効果を知り、ポイントを押さえて自社のパッケージ制作にぜひ活かしましょう。

パッケージデザインの主な効果

  1. 手に取られやすし、購買意欲を促す
  2. 商品コンセプトやブランドイメージを伝える
  3. ターゲット層の変化
  4. 売場の拡大
  5. 長期的な差別化

順に見ていきましょう。

効果①手に取られやすくなり購買意欲を促す

魅力的なパッケージに惹きつけられ思わず手に取った経験は、誰もがあるでしょう。消費者を惹きつける方法は、消費者の「ベネフィット」をパッケージで伝えることです。「買いたい!」という感情に働きかけましょう。

ただし、商品の魅力や機能性を伝えたいがために、一方通行なメッセージは逆効果。情報過多の現代では消費者は「自分の得にならない情報」には即座にシャッターを下ろします。

まずは、商品を手に取られることが大切です。手に取られることによって素材感やコンセプトを伝え、購買意欲を促すことにつながります。

効果②商品のコンセプトやブランドイメージを伝えられる

パッケージデザインは、コンセプトやブランドイメージを消費者に伝える効果があります。一番伝えたい思いを表しましょう。たとえば『ウィダーinゼリー』は「10秒チャージ2時間キープ」というキャッチコピーで、10秒でしっかり朝食を摂ることができるというコンセプトを伝えています。

ただし、伝えられるのは消費者の目に留まった瞬間のみ。
すなわち、素材・色・フォントなどをうまく使い分け、独自の世界観を演出する必要があります。

効果③ターゲット層に変化をもたらす

パッケージデザインの効果は、時にターゲット層に変化をもたらします。ターゲットの購買行動は常に合理的ではありません。

たとえば、衝動買いは「パッケージの色がかわいい」「美味しそう!」など、当人の予想に反した行動です。店頭売買のうち、60〜70%が衝動買いというデータ*が示すことからわかるように、店頭に並ぶ商品のパッケージや販促物を見たり、触れたりすることにより衝動買いが起こるのです。

つまり、色・素材などのデザイン要素にこだわることで、さまざまな層のターゲットの手に取られる可能性があります。

*販促会議 2021年3月号「衝動買いはなぜ起きるのか 非計画購買のメカニズム」
https://mag.sendenkaigi.com/hansoku/202103/key-to-impulsive-buying/020723.php

効果④売場の拡大が期待できる

売場の拡大とは、既存売場における「売上向上」または「新たな売場展開」を指します。消費者の購買行動を探り、そこに潜むニーズを見つけることが重要です。

たとえば、高速サービスエリアを利用する消費者に潜むニーズは、ご当地グルメを食べたい・車内で食べやすいものを買いたい、などが考えられます。そこで、食べきりサイズ、かつ名産品と一目でわかる商品名にすると、売り上げはさらに伸びるでしょう。

なお、売場展開する場合も同様です。パッケージデザインをその売場に最適化して営業しましょう。

効果⑤ブランディング効果で長期的な差別化へ

ブランディングとは、自社の商品・サービス、企業イメージに対して、独自性を消費者に伝えるための活動のことです。

「このブランドだから欲しい」と消費者に感じさせることが長期的な差別化に役立ちます。たとえばApple製品を好む人はiPhoneの新型モデルが出るたびに買い替える、これも独自性が定着し、競合差別化された一例です。

大切なことは、自社の強みや優れたポイントを訴求し一貫してデザインに埋め込み、パッケージに定着させること。長期的にみて自社商品を選んでもらうことにつながります。

パッケージリニューアルを成功に導く5つのポイント

パッケージデザインのリニューアルを成功に導く5つのポイントをぜひおさえておきましょう。なぜなら消費者が商品に求めることも時代の流れに沿って変わるためです。

  1. 目標設定
  2. 目的・目標の可視化
  3. 検証
  4. プロモーション
  5. フォローアップ

【目標設定】リニューアル後の先を見据えよう

リニューアル後に成し遂げたいことは何でしょうか?リニューアル後の先の先を見据えた目標設定をしましょう。

目標は企業ごとに異なりますが、たとえば以下の目標例があります。リニューアルの方向性・コンセプト・ターゲット分析・競合分析などへ、スムーズかつ効果的につなげるために重要です。

  • 新商品認知
  • 新市場参入
  • ブランドイメージ向上
  • 売上向上
  • 競合差別化

【目的・目標の可視化】文章で明確化しよう

目標はしっかり文章に。目標を可視化すると多くのメリットがあります。

文章化のメリット

①業務面訴求対象の明確化商品の方向性を見出せるタスクの優先度を判断する指針となる業務スケジュールやリソースの配分を効率化できる

②人材面従業員のモチベーションを高める小さな成果を共有でき達成感を得やすくなるチーム全体の士気向上

【検証】リニューアル後の検証方法を決めておこう

パッケージデザインのリニューアル後、効果検証の手段も事前に決めておくことが大切です。

  • Webアンケート(インターネット、モバイル)
  • ホームユーステスト

おすすめは、手軽に実施できるWebアンケート調査です。現代は、スマートフォンでのインターネット利用率が全体の7割弱*を占めます。したがって、モバイルは回答を得られやすいでしょう。

なお、ホームユーステストとは商品サンプルの効果を自宅で試して回答する方法です。ネットもしくは同梱の用紙で回答します。

*総務省 令和4年度版 情報通信白書「インターネット利用端末の種類(個人)」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nf308000.html#d0308040

【プロモーション】リニューアル後の販促活動は効果的に行う

リニューアル後の販促活動を効果的に行うには、以下の方法があります。

  • プレスリリース
  • キャンペーン実施
  • SNS発信
  • ホームページ

おすすめはSNS発信+ホームページの併用です。コストをかけずにパッケージデザイン画像を拡散でき、商品認知に効果的です。また、商品が気になった消費者は必ずホームページを閲覧するため、商品・サービスのくわしい情報やリニューアルのお知らせも定期的に更新しましょう。

【フォローアップ】既存顧客へのコミュニケーションは丁寧に

もっとも丁寧に進めたいことは「既存顧客へのフォローアップのコミュニケーション」です。なぜなら、パッケージデザインリニューアルによって大きく影響を受けるのは既存顧客だからです。
リニューアル前に比べて使いにくさを感じさせたり、突然のリニューアルでストレスを感じさせてはいけません。最悪の場合、顧客離れを招く可能性も。

対策として、事前に「リニューアルのお知らせ」を送付する、変更部分を手厚く伝えるなど、丁寧なコミュニケーションを取りましょう。

パッケージデザインなら『パッケージデザイン相談所』へ

パッケージデザインには、消費者の心のバリアをほぐす効果があります。手に取られ、さらに「買ってみたい」という気持ちに誘導するには『パッケージの最適化』が大切です。

パッケージデザイン相談所は、商品に込められた思い・大切なストーリーを「物語」と捉え、商品を手に取った消費者のストーリーも含めた最適なパッケージをご提案します。ぜひ一度ご相談ください。